社長ブログ

株式会社アイネット

2020/06/30 14:08

みなさん、こんにちは!


今日は、習い事のときに「初心者レベルのこといつまでやらせるつもりだよ!」と不満だった話を書きます。


弊社の新人教育は役員三人の他に四人ぐらいがそれぞれ担当を決めて関わっているのですが、6月の後半からは私が担当しています。私の担当はRaspberryPiという手のひらサイズのシングルボードコンピュータを新人の人に一つずつ渡してのLinux研修です。普通ならなかなかroot権限で触ることができないLinuxOSですが、自分ひとりで占有できるので失敗を恐れずいろいろなことができるんで教育用にとても良いんですよね。


ところで話は変わりますが、私は昨年の12月からテニススクールでテニスを習い始めてます。まだ半年なんですが、早く上のクラスに上がりたくてしょうがないんです。私が所属するのは「初心者」クラスです。その次に「初級」があって「中級」があって「上級」があります。「初心者」クラスは、まだフォームの基礎練習が多いので、本物の大きなコートではなくて小さなコートでやるんです。あとクラスが週一で一時間弱なので全然物足らない。なので、お友達と屋外のテニスコートを借りてやったりするんですが、スクールでは大きなコートでやらせてもらっていないので大きなコートの感覚がつかめない。ことあるごとにコーチには「早く上のクラスに上がりたい」というアピールをしてます。


先日は特に自分の課題であるバックハンドとボレーをマスターしたくて、初めてスクールの「プライベートレッスン」を受けました。一時間、コーチとマンツーマンなので、自分が気になっているところを重点的に教えてもらえて大満足でした。で、帰り際にコーチに「初級クラスで毎回レッスンの冒頭でラケット上でボールをポンポンするの、あれ意味あるんですかー?」って訊いたんです。そしたらコーチが「ありますよ。打面の調整になるんですよ」って言われて、「あっ」って思いました。なんとなく私には「初心者がボールに慣れるためにやるための練習」を半年も一年も経ってもやらされるのってやだなあと思い込んでいたんです。でも、テニスで球が思ったほうに飛ばない原因って必ず球にラケットの面が真っ直ぐ当たってないからなんですよね。で、知らず知らずにズレていく打面を調整するのに、ラケットの上でボールをポンポンするのめちゃくちゃ大事なのではって気づきました。


振り替えれば、人生でいろいろな習い事をしてきましたが、こういう「初心者がやることをいつまでもやらされる不満」っていうのを、私はいつも抱いてしまっていたことに猛反省です。


たとえばスピーチを習っているとまずは「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」から始まる腹式呼吸の発声練習と「拙者親方と申すは~」で始まる「ういろううり」の口上っていうのをやるんですよね。


あと筆ペンは今は準五段で、もう習って八年以上になりますが、定期的に課題が運筆練習と漢字の「一」から始めるのに戻るんで、「もっと難しい漢字を書きたいなあ」と思いつつ「一」とか「二」とか書いているわけです。ちなみに運筆練習って、こういうのをくるくる書いたりして筆運びを練習することですね。

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つまり、初心者でやることは「初めての人だけがやる」んではなくて「基本の練習」なので、定期的に、というより毎日でも立ち戻る必要があるものばかりだったんですが、私はなぜか「あの先生、初心者がやるようなことばかりやらせるなあ」という不満を抱いていて今更その考えは間違いだと気づいた次第です。お恥ずかしい。


そんなわけで、Linuxの研修もそうですが、新人研修というのはあらかじめ用意した手順でサラッと一巡したら終わり、となりがちだったんですが、そうすると数ヶ月後に確認するとまったく身についていなかったりする。なので今回の研修ではOSのインストールをさせたあといくつかいろんな設定をしてもらったりして、手順書を作ってもらい、そのあともう一度OSを再インストールしてもらって手順書見ながら作業してもらって、と繰り返してもらっています。何度もやることで必ずそのたびに気付きがあると思ってますし、教える側もまた初心に戻っての気付きがあります。


技術って新しいものや難易度の高いものを追いがちですが、基本に立ち返ることもまた大事ですよね。その「基本」そのものが時代と共に変わっていくことも体感できたりしますし。

2020/06/26 11:08

みなさん、こんにちは!


ちょっと時系列が前後しちゃったのですが、今月の初旬にウェブクリエイターズ高知が主催するよつばデザインの後藤賢司(ごとう けんじ)さんが講師を務めてくださった『ウェブ制作者のための動画活用と制作手法』という有料オンライン講座を受講したので、そのことについて書きます。

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昨年はいろいろあってあまり勉強会にも参加できず特に県外はぜんぜん行けていませんでしたが、このところ各地のコミュニティイベントがオンライン開催されるケースが増えてきたので県外主催のイベント参加へのハードルがぐっと下がりましたね。


SNSで流れてきたこのイベントの案内を見たとき、動画の録画やLive配信スキルは当たり前になりつつあるというか、ちょっと興味を持つのが遅過ぎかもと思っていたので即参加を決めました。


当日はzoomというオンライン配信システムで参加させていただきました。初めてのかたばかりだったのですが、エンジニアさんが参加するコミュニティ独特の空気感を久々に感じて、リラックスして参加することができました。


内容は圧巻のスライド300枚。具体的な事例も豊富で、その事例ごとにどんな事業者でユーザが何を求めているかを踏まえた制作ポイントがまとめてあり、なるほどこの動画であればこの業者さんを選びたくなるなあとわかる魅力的な動画を見せていただくことができました。
あと、これから始めたいと思うかたはどんな機材を揃えたら良いのか、いくらぐらいかかるのか、どんなテクニックを使えばプロの仕上がりになるのか、台本やシナリオはどんな風に作るのか、スタッフとしてどんな役割があるのか、リスクとして発生しうることをどうやって事前に費用に載せておくか、など、とにかく盛りだくさんで参加費の元が取れるどころかおつりがくるぐらいでした。


そのまま懇親会も参加させていただき、オンラインでそれぞれの方の仕事や課題などについて意見交換しながら楽しく過ごすことができました。オンライン呑みだと時間延長してダラダラということもあるのですが、二時間きっかりでミーティングを閉じていただけたこともすごく良かったです。


弊社でも早速、役員のかたたちと動画のコンテンツについて考え始めています。敷居が高いように思えますが、意外と手近な機材で始められるのも動画制作の魅力ですね。


またいろんな勉強会に参加したい~、あるいは開催してみたい欲も高まりました。

2020/06/24 17:39

みなさん、こんにちは。


今日は父の一周忌の法要を自宅で行ってオンライン中継したことについて書きます。昨年、私の父であり弊社会長であった岩崎重治が逝去したのが6月15日のことでした。あれからはや一年が経ちました。


昨年、葬儀を終えた時点で、同じホールで一周忌を行うように予約を入れていたのですが、その後、社会は新型コロナウィルスのことで県境をまたいでの行き来がしにくくなってしまいました。今、近い親族は、横浜、大阪、島根と離れています。皆さんに連絡をしましたが、皆、このようなときに集うことを躊躇しました。いろいろ迷った挙げく、6月13日の土曜日に自宅で一周忌を執り行うことにしました。参加するのは私と私の家族だけです。三人の寂しい一周忌になりましたが、思い立ってオンラインで法事の様子を中継することにしました。前日には自宅に小さな祭壇をレンタルして飾り、お坊さんには連絡してオンラインでの中継の許可もいただきました。

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母も妹も叔母もオンライン会議システムは初めてです。特に母と妹はスマホでの参加が不安だったので、当日までに何度か練習をし、なんとかやり取りができるところまでこぎつけました。当日も、無事にオンライン配信の様子を見てもらうことができ、島根の叔母(父の妹)も「どうなるかと思ったけれど、ちゃんと法事がしてもらえて良かった」と涙ぐんで喜んでくれました。


こういう法事の在り方の良い点は、離れていたり身体の具合がよくないかたの参加も可能であること。移動で長い時間を拘束されなくて済むこと。一方で良くない点はやはり、オンラインでのやり取りに慣れていない方を緊張させたり参加がうまくできない方を出してしまうこと、あと、法事の事前準備や事後の御礼の連絡を私のほうでやるので負担が大きくなることでしょうか。


一長一短ありますが、こういう時だからこそダメ元でも連絡してみて、新しい生活様式にチャレンジしてもらえたのは本当に良かったと思います。お互いに「三回忌には集えると良いね」と言い合って、オンライン中継を終了したのでした。

2020/06/10 12:23

みなさん、こんにちは!


今日は世間で「継続」の評価が高いのはなぜなのかということについて最近よく考えているのでそれについて書きます。


これはもう、常識的過ぎて普段あまり意識していない人も多いのですが、物事はなぜか「継続するのが良い」という価値観が強かったりします。「継続は力なり」という格言もありますし、部活や仕事を辞める人に対して「途中で投げ出すのか」という言い方をしたりする場合もあります。


また、先日ご紹介したオーセンティシティ・リーダーシップの本に、「すぐれたリーダーに特徴的な条件はない」としながらも「ブレないこと」は重要とされていました。ブレないとは、すなわち行動や信条が継続的であるということです。


一方で、ものごとの価値観がどんどん変わっている時代にずっと同じ行動パターンを取り続けることは必ずしもリーダーとして正しいわけではないと思います。
にもかかわらず、多くの価値判断軸の中で「継続」は比較的強い立場を保ち続けている。「ずっと続けていて偉いね」「そういう昔から変わらないところは立派だと思う」という褒め言葉はよく聞きますし、老舗メーカーだと「昔から変わらず大事にしていること」を打ち出したりしています。


ではなぜ、多くの人が多くの場合「継続」を手放しで良しとするのか。せっかく始めたけど続かず辞めちゃったことについて多くの人は挫折感や恥ずかしさを感じるのか。ということについて、私はこのところずっと考えていました。


で、だいたい以下のような理由かなと思ってます。


1、長く続けないと身に付かないスキルがある
2、コミュニティの利益を最大化し易い
3、信頼に値するかは何かを続けているかどうかで測り易い
4、ストーリーを作り易い


1、長く続けないと身に付かないスキルがある

これは徐々に意味をなさなくなっていると思っていて、今では習得すべきスキルは日々どんどん変わるし、習得コストは方法論の進化によってどんどん下がっていっています。


2、コミュニティの利益を最大化し易い

これは組織側が価値観を刷り込んできた歴史があるかなと思います。学校教育や宗教組織で作り込んできたものもあるし、職人さんの子弟制度などもそうかもしれません。


3、信頼に値するかは何かを続けているかどうかで測り易い

たとえば、一ヶ月毎に別の恋人を作る人や三ヶ月毎に転職する人は一緒に行動するときにその人の在り様に振り回される可能性が高いので「信頼できない」と考えることで判断者のリスクを回避するという考え方ですね。


4、ストーリーを作り易い

みんな「ストーリー」というものは大好きで、物を売るにしても最近は「ストーリーを売る」という言い方をしたりしますね。長く続いたものはそれにまつわるストーリーが構成し易いので、「やっぱり続けるのって大事なんだなあ」という感想を抱かせ易いと思います。


で、ここまでのことは「本当に継続はそんなに価値があることなんだろうか」という視点から見て整理したものです。一方で、今の時代は何かを始めるのも辞めるのも簡単になってきているからこそ継続が価値を高めていることもたくさんあると思います。

そこのあたりを整理して生活習慣を日々見直していきたいものです。

2020/06/05 13:15

皆さん、こんにちは!

 

先日のことですが、うちの出入りの担当銀行員さんが来られてお話をしていた時に「山本社長は特別定額給付金についてどう思われますか?」と訊かれて、あまりちゃんとした返事ができなくて、その後もずっと考えていました。

 

たぶん、銀行のかたは「国の施策への評価」を私に訊きたかったんだろうなと思ったのですが、私はそのことについては特にはっきりした意見が言えなくて、ただその後思ったのは、「お金には色はついていないので、それを良いものにするかどうかは受け取った人次第だよなあ」ということでした。

 

その時銀行のかたにした返事ですが、「普段わたしが貰っている役員報酬というのはどこかしら会社に何かあったときに備える意味もあると思っていて、全てを自分が自由にして良いとは思ってない感じがあるけど、給付金については個々人に配られるものなので自分が好きなことに使えるお金だと思っている」という、何となく答えになっていないようなことを答えました。

 

それから何を買おうかなあと、普通に物欲にまみれたこともいろいろ考えていたのですが、ようやくこのたび給付金の使い道に私なりの答えが出ました。

 

クラウドファンディング「ミニシアターを街に残そう!~シネマ・クレール存続プロジェクト~」に10万円を寄付することにしたんです。

 

お金を出した喜びが一番長く続くのは何かなあとずっと考えた結果、これまでもお世話になって、そしてこれからもお世話になりたいミニシアターを応援することがいちばんではないかなと思いました。シネマ・クレールに、私は年に何度もは足が運べないのですが、それでもシネコンでは出会えないような作品を観ることができますし、私の所属する映画サークルの友人たちもみんなが愛していて、岡山の映画文化を支えてくれている大切な場所です。

 

私はようやく納得の答えが出せたと思っていますが、他の人の「その人らしさ」が見えてくるお金の使い方を聞くのも楽しいので、ぜひ聞いてみたいですね。