社長ブログ

株式会社アイネット

みなさん、こんにちは!


今日は、習い事のときに「初心者レベルのこといつまでやらせるつもりだよ!」と不満だった話を書きます。


弊社の新人教育は役員三人の他に四人ぐらいがそれぞれ担当を決めて関わっているのですが、6月の後半からは私が担当しています。私の担当はRaspberryPiという手のひらサイズのシングルボードコンピュータを新人の人に一つずつ渡してのLinux研修です。普通ならなかなかroot権限で触ることができないLinuxOSですが、自分ひとりで占有できるので失敗を恐れずいろいろなことができるんで教育用にとても良いんですよね。


ところで話は変わりますが、私は昨年の12月からテニススクールでテニスを習い始めてます。まだ半年なんですが、早く上のクラスに上がりたくてしょうがないんです。私が所属するのは「初心者」クラスです。その次に「初級」があって「中級」があって「上級」があります。「初心者」クラスは、まだフォームの基礎練習が多いので、本物の大きなコートではなくて小さなコートでやるんです。あとクラスが週一で一時間弱なので全然物足らない。なので、お友達と屋外のテニスコートを借りてやったりするんですが、スクールでは大きなコートでやらせてもらっていないので大きなコートの感覚がつかめない。ことあるごとにコーチには「早く上のクラスに上がりたい」というアピールをしてます。


先日は特に自分の課題であるバックハンドとボレーをマスターしたくて、初めてスクールの「プライベートレッスン」を受けました。一時間、コーチとマンツーマンなので、自分が気になっているところを重点的に教えてもらえて大満足でした。で、帰り際にコーチに「初級クラスで毎回レッスンの冒頭でラケット上でボールをポンポンするの、あれ意味あるんですかー?」って訊いたんです。そしたらコーチが「ありますよ。打面の調整になるんですよ」って言われて、「あっ」って思いました。なんとなく私には「初心者がボールに慣れるためにやるための練習」を半年も一年も経ってもやらされるのってやだなあと思い込んでいたんです。でも、テニスで球が思ったほうに飛ばない原因って必ず球にラケットの面が真っ直ぐ当たってないからなんですよね。で、知らず知らずにズレていく打面を調整するのに、ラケットの上でボールをポンポンするのめちゃくちゃ大事なのではって気づきました。


振り替えれば、人生でいろいろな習い事をしてきましたが、こういう「初心者がやることをいつまでもやらされる不満」っていうのを、私はいつも抱いてしまっていたことに猛反省です。


たとえばスピーチを習っているとまずは「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」から始まる腹式呼吸の発声練習と「拙者親方と申すは~」で始まる「ういろううり」の口上っていうのをやるんですよね。


あと筆ペンは今は準五段で、もう習って八年以上になりますが、定期的に課題が運筆練習と漢字の「一」から始めるのに戻るんで、「もっと難しい漢字を書きたいなあ」と思いつつ「一」とか「二」とか書いているわけです。ちなみに運筆練習って、こういうのをくるくる書いたりして筆運びを練習することですね。

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つまり、初心者でやることは「初めての人だけがやる」んではなくて「基本の練習」なので、定期的に、というより毎日でも立ち戻る必要があるものばかりだったんですが、私はなぜか「あの先生、初心者がやるようなことばかりやらせるなあ」という不満を抱いていて今更その考えは間違いだと気づいた次第です。お恥ずかしい。


そんなわけで、Linuxの研修もそうですが、新人研修というのはあらかじめ用意した手順でサラッと一巡したら終わり、となりがちだったんですが、そうすると数ヶ月後に確認するとまったく身についていなかったりする。なので今回の研修ではOSのインストールをさせたあといくつかいろんな設定をしてもらったりして、手順書を作ってもらい、そのあともう一度OSを再インストールしてもらって手順書見ながら作業してもらって、と繰り返してもらっています。何度もやることで必ずそのたびに気付きがあると思ってますし、教える側もまた初心に戻っての気付きがあります。


技術って新しいものや難易度の高いものを追いがちですが、基本に立ち返ることもまた大事ですよね。その「基本」そのものが時代と共に変わっていくことも体感できたりしますし。