社長ブログ
株式会社アイネット
みなさん、こんにちは!
夏にテニスをした際に冷たいスポーツ飲料をがぶがぶと飲んだり、テニス終わって体内の熱を下げるためにアイスクリームを食べたり、夜に氷いっぱい入ったハイボールを呑んでいたりして、6月下旬ぐらいから調子を崩してしまい一ヶ月ほど病院に通ったけど改善が見られなかったため、今は漢方薬のお世話になり少しずつ調子を戻してきています。
その時に薬剤師さんにかなり念を押されたのが「冷たいものを摂らないこと」でした。そもそも不調の原因が冷たいものを摂ったからだとはまったく思っていなかったのですが、冷たいものの摂りすぎは体内の免疫機能を下げてしまうと聞き、とんでもなく体に悪いことをしていたなと気付かされました。
それで普段飲む飲料は常温か温かいものに変えたのですが、思わぬ副作用として食欲が少し減退してしまったんですよね。飲み物も、甘味が強いスポーツドリンクって、常温だと甘すぎてあまり美味しくない。冷たいものと甘いものの親和性って高くて、実は本当に体が欲している水分量以上に冷えた飲み物の刺激を求めて水分を摂ってしまっていることに気が付きました。食べ物もしかりです。
つまり、私の推察ですが食欲って実は刺激物の記憶によって喚起されてるんだということですね。
焼肉屋さんに行くのも、私は「冷たいビールと焼肉」という組み合わせだから「焼肉食べたいなあ」と思ってるんであって、ビール呑まないのに焼肉屋さんに行きたいかというとそうでもない。チョコレートにブラックのコーヒーの組み合わせも好きだけど、それも刺激物×刺激物ですよね。結局こういう刺激の記憶が次の刺激を欲することに繋がってる気がします。
もしこれを読まれているかたで痩せたいかたがおられたら、無理なカロリー制限とかせずに、キンキンに冷えた飲み物を飲まず常温のお茶にするとか砂糖たっぷりの甘いお菓子を自然な食品が持つ甘味のおやつに変えるだけで、食べたい気持ちが適当な量に落ち着いていくんじゃないでしょうか。
みなさん、こんにちは!
そういえば最近、読んだ本の紹介をしていないな~と思い出しまして、先月は3冊しか読んでないんですが読んだ本のご紹介をします。
■『ウェルカム・ホーム』(丸山正樹・著)
これは特別養護老人ホームで働く主人公の大森康介(27)という男性の介護という仕事を通して、先輩との人間関係、プライベートで通う風俗の女の子の関わりから、人の尊厳や、介護される側の痛みや、職業差別のことなど、いろいろな確度の社会に潜む問題に主人公も読む私たちも気付いていく物語です。
康介は、派遣切りに何度か遭ったため、ハローワークの担当者に勧められて資格を取ってできる仕事ということで介護の仕事に就いたのですが、最初は入居者の不可解な行動に戸惑うばかり。そして、同窓会で非正規雇用の友達が「俺も今のところが契約切れになったら介護の仕事でもやるかなあ」の「介護の仕事でも」という言葉に傷づいたりします。
しかし続けていく中で、頑なにご飯を食べない人がなぜ食べないのか、着替えを拒む人はなぜ拒むのか、が少しずつ分かるようになって仕事の喜びを感じる体験をする中で少しずつ介護にする自分に自信が出てきます。
ショッキングな出来事もあります。フィリピンから来た大学を出たジェニファーがセクハラに遭い、強いショックをうけてしまう事件。あるいは、認知症を装って入居した男性が立てこもり事件を起こし康介を人質にするのですが、なぜ認知症を装ってまで大きな事件を起こしたのか。
著者自身がフリーランス・ライターの仕事の収入が減ったときに介護実習を受けている最中に東日本大震災が起こります。そして作中に出てくるような介護者の避難と同じ経験をした仲間の話を聞いて、その時になぜ飛行機などで障害者の座席は一番奥に置くのか。他の乗客の避難の「邪魔」とされるからではないか。そんな疑問を持ったそうです。
康介は小説の中で成長していきますが、介護の実態は変わらないまま、多くの人が快適でない老後を強いられています。最近、(子供が保育園時代のころから続いている)ママ友と話をしていても行きつくところは介護の話です。どれだけたくさんの想像力をもって人に接することができるかだなあ。そして介護する人がすごくつらくて大変かというと、そればかりでもないんだなあ。といろんなことを考えながら読みました。
■『エクソフォニー 国語の外に出る旅』(多和田葉子)
多和田葉子さんのエッセイを読んで、この作者のことが少しでも知りたいと思いました。以前読んだ『献灯使』という小説がものすごい衝撃だったので、この人はいったいどんな背景を持った人なのだろうと思っていました。『献灯使』は何気なく書店で見つけて表紙が興味深かったので買った本だったのですが、とにかく設定がすごい。100歳を過ぎた老人たちが強靭な肉体を持つ一方、子供たちは立って歩く体力もなく、自分で服を着替えることもできず、パンを食べても歯がぼろぼろと欠けてしまう。そしてこの時代は未来の設定のはずなのに鎖国をしている。何もかもが今の日本の価値と逆転してしまっているような世界で何が起こっているのか。とにかくすごいお話でした。
話を『エクソフォニー』に戻します。この本のタイトルのエクソフォニーという言葉はドイツ語で「母語の外に出た状態一般を指す」そうです。著者は、ドイツで暮らし、最初はドイツ語で本を書くなんて考えもしなかったのに移住して5年も経つとドイツ語で詳説が書きたいという抑えきれない衝動を感じることとなったそう。
作者自身が行ったいろいろな国の事情や雰囲気や驚きは発見、あるいは国が持つ言語をめぐる問題は果たして問題なのかという観点、あるいは、彼女自身がドイツ語と日本に関わる中でどちらもが曖昧になっていく体験、そんな母語の外に出て暮らしたり体験したりすることをいくつも綴ったエッセイ群に、私は本当は分かってはいないかもしれないけれども、二つ以上の言語に自分を敢えて置いていることでその状態が引き起こすものをどうしても知りたいという彼女の情熱を感じました。
たとえば、私という人間が、職業人であると同時に家庭人であったり、技術者であると同時に経営者であったりすることで、「どこかにおさまってしまえば楽なのに、それをやらないでいたい根強い願望(しんどいけれども)」みたいなのと通じるところがある気がしたのでしょう。
たとえばいくつもの言語を話す民族が一つの国に住んでいるときに、国が教育や統治の都合上一つの公用語を決めて、それを子供のころから教えるようにする。クラスの3分の1以上が母国語を理解しない、そういうクラスがあるということを日本人は想像できない。でも、公用語を教えられることで子供はバイリンガルになる。それが単純には良いとも悪いとも言えない。多和田さん自身、何もしないでいると、日本語がゆがみ、ドイツがほつれてくる危機感を絶えず感じながら生きているという。しかし、異なる言語の両方の価値を信じ、時間をかけて耕していけば、単言語の人からは想像もつかないことを成し遂げることができるかもしれないから、もっともっと教育にお金をかけないといけない。
そんなことを考察していたりもして、何か単一になっていってしまっている今の日本の中のソフトウェア業界という小さな場所に留まっていていいのかと考えさせられたりもしました。
■『世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つ ビジネス書』(林雄司/デイリーポータルZ編集長)
これは2014年頃に出ていた本なんですが、最近この本の存在を知って速攻で買いました。絶対におもしろくかつ役に立つと思ったので。ご存じのかたはご存じだと思いますがニフティが立ち上げた「デイリーポータルZ」というおもしろサイトがあるわけです。その編集長が林雄司さんです。
読んですぐに弊社の営業である廣岡さんにこの本をおススメしました。
経営者が読んでも役に立つことも多いのですが、営業マンなどが読んでも絶対に役に立つ知識で溢れてるんですよ。たとえば、「お詫びメールにはコツがある」という項目があるんですが、その中に
・「ごめんなさい」を効果的に入れる
っていうのがあります。「すみません」「申し訳ありません」「お詫びいたします」などの慇懃で定型的な言葉が続く中で敢えて話し言葉のような「ごめんなさい」を入れると謝罪の気持ちにリアリティが出る。
とか。あるいは
・慌てる
で「す、すいません!」とメールに書くのもいいけど、「すいませn」と変換ミスで慌てている感を出してみる。
みたいなことが本当にたくさん、実際に著者が経験したであろう(ちょっと面白い)体験を混ぜて書いてあります。
けっこう繰り返し出てくるのが「機嫌よくいる」系のことで、たとえば、「Twitterではほがらかなことしか書かないようにしている」「怒りはすぐ忘れる」みたいなことを繰り返し書いていておられる。
そうやって気分を平常に保ちながら、小さいバランスをどんどん取っていくのが長く続いた秘訣なんだなと実感します。割と「デイリーポータルZ」をご存じのかたは「冗談連発のおもしろなんちゃってビジネス書なんじゃないかな」と思う人もいるかもですが、私はこの本で「明日から営業に使おう」とか「明日から経営資料を作るときに使おう」と思ったもので付箋が30くらいはついてしまったので、かなり実用寄りの本に仕上がっております。
今日さっそく廣岡さんが来週行く営業先についてシナリオを作ってくれたのですが、「まずいきなり本題から入らずに、この本に書いてあるけど、場をあっためる会話を入れようね。私も、ほら、テニスするお客さんにはまずテニスの話から入るでしょ」っていう指導などをさせていただきました。
というわけで先月読んだ3冊、どれも良かったです!