社長ブログ
株式会社アイネット
みなさん、こんにちは!
今日は最近読んだ2冊の本が素晴らしくて、いずれも読みながら全部赤線を引きたいぐらいだったのでご紹介したいと思います。同じ、ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ]シリーズなのですが、
一冊は
で、もう一冊は
です。
どちらかというと職位に関わらず役に立つという意味で先に読んだ方が良いのは『セルフ・ウェアネス』で、リーダー向けには『オーセンティック・リーダーシップ』がお勧めですが、立場に関わらずどちらも興味深く読むことができます。
まず一般的におススメの『セルフ・ウェアネス』からご紹介しますが、「セルフ・ウェアネス」とは、「自己に意識を傾けること」で、「自己認識」ということの重要性は知られていますが、それを得るためのスキルの習得のしかたはなかなか知られていません。そこで著者のチームはまずは5000人あまりを対象として「自己認識」の定義づけから始めたわけですが、私が特に衝撃を受けたのは
「傑出したリーダーと並みのリーダーの相違のほぼ90%は知的な洞察力ではなく感情に起因する」
と書かれていたことです。
せっせとリーダー論を読み業界の動向に想いを巡らせることも大事ですが、まずは私のすべきは自分の感情コントロールだなと思いました。
では、どうすれば自分を知り、感情をコントロールすればいいのか、
ひとつの解として「トラッカーツールを使う」というものがあります。トラッカーとは、日常の行動や身体的な反応や感情を記録していき、その中からパターンを見つけ出して目標達成を助けるツールのことで、皆さんがお持ちのスマホでアプリを検索してもいろいろと出てきます。AppleWatchと連動して身体データを計測していくものも良いと思いますし、私の場合は特に気分の変動を観測するのに特化したツールを入れています。
たとえば、この本に出てくる調査対象のマリーは、一日三回、気分を五段階で記録するトラッカーアプリを使っていたところ、毎週木曜日が週で一番忙しいにも関わらずいちばん幸せだという結果が出たというのです。それは木曜に広告関連の講座に参加して広告関連のクリエイティブな人と話し合うからだと分かったそうです。そこでマリーは広告業界に入り今では楽しくバリバリと働いているということでした。
さて私についてもだいたい同じパターンがありそうです。たとえば、長男にLINEをして返信がないと長く落ち込んだ気分を引きずる、ミーティングで発言できず座の中心でないと自分のポジションが発揮できていない気分がする、毎日決めた学習ができないと寝る前に自分を責めてしまう。どれも落ち込む必要がないのに毎回同じことで落ち込んでいるなあと思って、パターンに当てはまったと気付いた瞬間に頭からそのことを追い払うことで落ち込む時間を減らすことができました。
次に『オーセンティック・リーダーシップ』という本ですが、まず「オーセンティシティ」という言葉がいまとても注目されていて、それは「正直であること」「隠さないこと」「真摯であること」などという概念です。
次に知っておくべきはリーダーシップ・スタイルがパワー型ではなくなってきたことです。武力の代わりに情報やコミュニケーション能力など、さまざまなスキルでリーダーたちはリーダーシップを身に着けようとしているわけですが、実はリーダーシップの研究者が1000以上の調査研究を実施した結果「これが一流のリーダである」と言われる特徴的な資質はひとつもないという結論に達したわけです。
では何がこれからの新しい時代のリーダーシップになり得るかといえば、「自分らしく正直であることを隠さないこと」だそうです。
私が社長になった時、いろんな社長さんのところに行き、「社長の仕事とはなんでしょう」と訊いて回ったのですが、けっきょくのところ私がロールモデルにできそうな社長像には出会えませんでした。そして、ある出入りの営業さんが「うちの社長はライオンみたいに強い」と言っていたのを聞き、「ああ。私にはそのような、声の大きさも、体の強さも、お金も、力も、ないなあ。リーダーとしての資質をぜんぜん備えていないなあと落ち込んだものです。
ですが、ある時、これはもう社長になって5年以上経ってからのことですが、とあるご挨拶先でそこの役員さんに「まだまだうちの会社は大きくもできておらず、待遇面で社員の気持ちに充分に応えることができていないんですよね」と言ったところ、「でも、山本さんが良いと思う経営を実現できているのでしょう?」と言われてハッとしたことがありました。
その人の会社と比べて会社規模や売上額や従業員数などで引け目を感じて恥じていたのですが、決して恥じる必要はないと励まされた気持ちになりました。
経営者は売上の数字などに気を取られ自分の経営の良いところは評価しずらいものですが、自分が手探りでやっていた「自分らしい経営」の良さについて、この本を読むことでその大事さを裏打ちされたと感じました。
以上、最近読んでめちゃくちゃためになった本の紹介でした。