社長ブログ

株式会社アイネット

みなさん、こんにちは!

 

夏季休暇にやったことをちょっとずつ報告しようと思っていて、庭編、読書編、学習編と分けて更新する作成なのですが、うかうかしていると9月に突入しちゃうなあと思う今日この頃です。

 

読書については、今回は花田菜々子さんがモテとか、成功とか、役に立つとか。古い価値観を全部ぶっとばす爽快感あふれる3冊|花田菜々子 の中で紹介していた三冊を読もうと決めていました。花田菜々子さんといえば、かつてどんどん人に本を薦めるといことを実践してみたことを『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』という書籍にしていたので、そういう人がお見立てした本を素直に読んでみようと思ったのです。

 

紹介されている本は以下の三冊。

『モテとか愛され以外の恋愛のすべて』

『ホホホ座の反省文』

『居るのはつらいよ:ケアとセラピーについての覚書』

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どれも面白かったのですが、圧倒的に引き込まれて読んだのは『居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書』でした。これ、京大を出て沖縄の精神科のデイケア施設に勤めることになったハカセ(筆者)が自分の経験を面白い語り口で綴ったものです。

 

ハカセが最初に想像していた理想のセラピーとしての仕事は、カウンセリングの結果、その人に変化をもたらすことだったのですが、まずハカセが最初にやるべきことは「ただそこに居るだけ」。最初は「居るだけ」がつらくてできないハカセ。その中でメンバーさんと徐々に関わっていき、ケアとは何か、セラピーとは何かを考えるようになっていくのです。

 

そこにいて、元気になって、デイケアに来なくてよくなる人も登場して、ちょっと良いお話もあるのだけど、それだけで終わらせるような本ではないのです。そこに永遠に居続ける人。あるいは辞めていく職員。メンバー同士の恋愛。

 

私がこの本をとにかく貪るように読んだのは、自分が経営者としてついつい社員にアプローチしがちになる中で「それは違うんじゃないかなあ」と自分に対して思ったり、あるいはアプローチしても無力感を感じたり。若い社員を育てたり、うまくいかなくなってしまった社員を何とか底から引き上げようとする中で、一方で自分が育ててもらっているのを感じたときに、立場というのは本当は便宜上決められているだけなんだなあと感じてきたからです。

 

社長とは必要以上に社員をケアしたり回復させたりしようとしがちですが、何年も新しく入ってくる人、去っていく人を見続けた中で、何よりも私は人を変えることではなく「会社に居る」のが大きな仕事だと気付き、そして、これを書きながらハッとしたわけですが、これからも長くここに居続けないといけない人でもあるのだと思うわけです。

 

本当に、理想の会社とはもう、社長がすることがなくなっちゃうぐらいの会社かもしれないし、そうなったらまたどこかに行くのもいいかもしれません。