社長ブログ
株式会社アイネット
みなさま、新年あけましておめでとうございます。
年末年始はいかがでしたでしょうか。私は…、忙しかった、に尽きます。
さて、早速ですが、仕事始めのミーティングでは「1on1(ワン・オン・ワン)」の話になりました。次年度以降どうしていくべきか。
「1on1」をご存知ないかたに説明しますと、ヤフーが導入して話題になったのですが、定期的に上司と部下が行う1対1の面談のことで、定期的に行うことによるさまざまな効果を狙うものです。
で、今年度は一人の管理職が数人の新人との「1on1」を続けてくれていたのですが、次年度以降はどうしていこうかと社内で検討中です。
そこで私自身がこれまで多くの部下の人と面談してきたときのことを振り返ってみたのですが、一対一での面談って、ものすごく難しいと思っています。
理由はいくつかありますが、まず、上司と部下はそもそも対等な関係ではないので本音を聞くことが難しいということ。あと、上司部下という非対等性を除いても言葉というツールを使いこなすのに長けている人とそうでない人では、言葉を挟んだコミュニケーションが対等にならないということ。人の変化や成長は、対話以外の要素がものすごく作用するので、対話そのものが変化や成長にどれだけ関わったかが見えにくいこと。
あと、昔の私は部下の人のしゃべる内容から部下の人の心情や直したいところを知り、成長の後押しをしてあげることができると信じていたのですよね。あることをきっかけに、それは不遜なことだと思うようになりました。
とある、仕事になかなか集中できず帰宅しても勉強ができないという悩みを持った男性社員と継続的に面談を重ねていた時のこと。当時、私は行動心理学の本などをたくさん読み、もしかしたら言葉の力で人を導くことができるのではと信じていました。
そこで、彼の悩みに対し、「私もこうだったけれど、こういうことを試してみたら上手く行ったよ」とか「こういうことができない心理背景にはこういう状況があるから、まずはそこを見つめるといいよ」とか、あるいは部下の悩みに役に立ちそうな本を貸してみたりしていました。
いつも憂鬱そうな表情の部下ですが、面談の場ではだんだんと表情が明るくなり「分かりました!やってみます!」と返事をしてくれます。ですが、数日して様子を見るとやはり辛そうにしている。またしばらくして面談するも、そのときは声が明るくなるけれど状況は変わらず、ということが続きました。
どうやら、解決の因果を分かり易く提示できるような事例で説明すると、その場では問題解決がすごくうまく行きそうに思えて少し気分が上がるのですが、日常に戻るとそんなに簡単には状況が変わるわけでもなく、私の言葉は一過性のカンフル剤的な作用しかなかったようです。家での勉強法についてとか、社内でのポジション変更とか、いろいろな角度で話し合ってみましたが、最終的に彼は転職していきました。
ただただ、私の未熟さゆえの失敗談です。あと、どうしても向いていない人と無理な改善の方向を探るよりは別の道を提示して背中を押してあげるのも必要ということでしょう。
今の私は代表ですので立場が強過ぎるため、直下の部下以外とは年に一度、全員との面談をする以外は別の管理職の人にお願いをしている形です。ただ、部下の人のほうから話しかけてくれるフックをいろいろと用意していきたいなと考えています。会社のWikiとかブログに実践で役立ちそうなことを書いたり、ノベルティグッズを通して各現場の喜びの声を報告してもらったり。なんというか、上から下へ何か言うとそれは圧が生まれてしまうので、下から上に細くても流れが作れるようなことがたくさん作りたいですね。
と、ちょっと否定的にも取れる書き方になってしまいましたが、実際には、我々の仕事は黙ってやる作業が多く、チームによってはコミュニケーションが不足することで大きなリスクを招いていることがあります。カジュアルに会話する訓練は絶対に必用だと思っています。そのためにもよく練られたガイドラインは必要ですね。
ということで、今年最初のエントリは「1on1」について書きました。それでは、本年もよろしくお願いいたします。