社長ブログ

株式会社アイネット

みなさん、こんにちは!

今日は最近読んだ本について書きますね。
小説だと勢いに任せて一気に読んでしまうのですが、今回は三週間ほどかかって丁寧めに読みました。その本は『日本人の英語はなぜ間違うのか』という本です。

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そもそもこの本を読んだのは、最近、電子工作で参考にしたチュートリアルが英語だったから。英文そのものはGoole翻訳の力を借りながらだったのでそんなに難しくなかったのですが、せっかくなので英文のほうも気を付けて読んでいたら英語に対するハードルがちょっと下がりました。そんな時に書店でこの本を見つけたので思わず買ったのです。

 

中身は、この10年前ぐらいまでの教科書で中高での英語教育を受けてきた人向けです。私たちが、英語ネイティブの人から奇妙な英語を書いたり話したりして見えていることがこの本を読むとよくわかります。では、なぜ奇妙な英訳をしてしまうのでしょうか。それは、英語の教科書の英文がそもそも奇妙だからなんですね。

この本では、そのあたりの「変なポイント」を一つ一つ丁寧に取り上げてはどうしてこんな奇妙な英語がまかり通ってしまったのかというのを、著者のマーク・ピーターセンさんが実際にかつて使われていた英語の教科書に載せられた例文を掲載しながら「私ならこう添削します」という添削例を載せてくれています。

そういう例文一つ一つを読んでいくと、なるほど、私たちが思い込んでいる英文というのは自然な英語とはずいぶんかけ離れているなあと分かってきます。

 

たとえば、日本人が「So」をやたら使いたがる問題。確かに、「So」って使いますよね。たとえば、「ええっと、」とか前文を受けて接続詞的に。あるいは「すごく」って強調するときに。
でも、この使い方、どちらも日本人が英訳するときに多用しているのがすごく変なんですって。接続詞として使うにしても因果関係がないところに突然「So,」を使う。あるいは、協調するなら「very」を使えばいいのに、やたらと「so」を使う。ということらしいです。何となくですが、この「So」は日本語の「そう」と同じ発音なので、似たような感じでちょいちょい挟んでしまうのではないでしょうか(というのは私の推測です)。


こんな調子でいろいろと手厳しい指摘が続きます。

とはいえ、日本の英語の教科書に限らず、言語の初学者が最初に手にする本ってけっこう変な文章が載っているような気がしますよね。私たちIT関連の仕事は比較的英語を目にすることが多い、あるいは、英文を書く作業をされるかたも多いでしょう。そんな方が自然な文章にランクアップするのに気軽に読める本です。


あと、末尾の「解説」も面白いです。書かれているのは『ダーリンは外国人』という漫画で一世を風靡した小栗佐多里さんなんですが、「英語ネイティブの人が会話から取り残されていく問題」について触れてて興味深かったです。英語というのはかなり広く普及しているので、片言の英語をしゃべる者同士のほうが会話し易いという現象が起こることもあるらしいです。そうなると英語ネイティブの人は正しくない英語の会話に入りたくない人もいるので会話から取り残されていくことがあるんですって。

なんだかそう考えると、「英語という世界各国の共通語に近い言語」を母語とできている人たちはいいなあ、と思っていましたが意外とそうとばかりも言えないのかも。

ちなみに、私は、現時点では、英語については心理的抵抗を小さくし、英語のドキュメントが読めればいいかなあ、ぐらいに思っています。聞き取れたら、喋れたら、そりゃあ楽しいでしょうがそこまではハードルを上げないつもりです。