社長ブログ

株式会社アイネット

みなさん、こんにちは。

今週のブログは何を書こうかなあと考えていて、日産リーフに乗り始めてだいたい一ヶ月ぐらい経ったので、いろいろと電気自動車のことや安全装備のことなどについて分かってきたことも溜まってきたし、夫が昨年発売のスバルのフォレスターに乗っているのでスバルのアイサイトとの比較について、実感したことを書くのが良いかなと思ったのですが、車の記事って興味ある人以外は面白くなくないですか?どうですか?(笑)

 

などと思っていたのですが、コチラの記事がすごく面白かったので、今日はそちらについて書きますね。

「ほぼ日刊イトイ新聞」というサイト、以前はよく読んでいたのですが、この一年ぐらい忙しくてネットで色んな記事を読むことも減っていて、久しぶりに覗いたら


養老孟司×池谷裕二「定義=「生きている」

という記事の連載が、ちょっと前にあったみたいで一気読みしました。

 

「生きる」がテーマということや、解剖学や脳の専門家であるお二人の対談ということで、生物学的な話が多いかなと思っていたのですが、意外にも熱力学などの物理の話が多くて、物理の読み物などで時間の概念について知るのがすごく好きな私としてはものすごく興奮して読みました。

 

いろんな観点から生きるというテーマについて語られているのですが、特に以下の内容から二つほど思うところがあったのでここにメモしておきます。

「人は『世界の秩序を増やすことができる』とどこかで思い込んでいるけれど、実は秩序は増やせない。掃除機でゴミを集めて秩序を生み出しても、そのゴミはどこかで燃やされて塵となってまた拡散していく、というように、秩序を生み出してもまた無秩序に戻っていく」

「時間という概念は人間作りだしたもの。時間が前に進むか後ろに進むかも、実は分からない。時間が後ろに向いていても成り立つように物理学の式は書かれているものが多い。時間という概念がない人間以外の動物は時間を気にしない。昨日とか明日という区別は人間だけが付けている」

 

こういうことをいろんなエピソードを交えながら研究者の言葉で説明してもらうとものすごく面白いのですが、私が思ったこと。

1、そもそも、時間というものを考えつき、そこに時計などで目盛りを刻み、経営で言えば一年を「期」という単位で区切っていくということは、本来の人間の脳としては不自然なことである。だから、一時的にそこに秩序(ルール)を持ち込んだほうが脳の中で経済活動を把握し易くなる。よって、秩序を持って情報を整理していくほど、経営や現場の運用はやり易くなる。が、本来の脳の在り様としては不自然なことであり、生物の本来の性質的なものとの摩擦は必ずあるので、そこを忘れないようにしながら秩序と無秩序のバランスを取っていくのが大事。あと、人間の脳はそもそもスケジュールに合わせていくというのは不自然で苦手なことであるならばどんどん補助ツールを遣うべき。

2、今、認知症に関する本を読んでいるのだが、認知症になると時間の概念がなくなっていく。一日三度の食事、箸やスプーンを使っての食事、といういつの間にか「人として当たり前」と思っていることができなくなるケースも多い。だが、そもそも、一日三度、というのも勝手に現代の人が決めたルールである。食事ひとつ取っても、だんだん人らしくできなくなっていく場合、周囲の人が「あんなにちゃんとしていた人が人間性を失っていく」とショックを受け、認知症を発症した人に怒ったりするが、本来は「一日三度」というような秩序など持たぬ世界で生きている生き物が大半なので、認知症になって行動が変わったように見えるのは素の生き物に戻っていっているだけで、それは「間違い」ではないと思えば認知症の人に接するうえでの気持ちもまた変わるのではないか。もっと言えば、「苦手な人」というのも多くはその人の秩序と自分の秩序が異なっているために感じ易いことだということを分かっておくこと。

などと、今回の記事を読みながら思いついたりしました。

 

この手の脳のしくみとか、ーっといろんなことを考えているのが好きなので、とりとめないことをたまにこのブログにも書くかもしれません。学生の頃は物理が苦手だったのですが、こういう切り口で教えてもらえてたらもっと好きになっていたのにと思います。

今日はこんな感じです。